エステサロンなどで取り扱われている『イオン導入』はフェイシャルメニューなどで使用されるスキンケア方法のひとつです。
では『イオン導入』とは実際にどのような施術なのでしょうか。
イオン導入を受けたいと考えている方や、はじめてイオン導入というものを聞いた方でも分かりやすいように解説していきますので、気になる方は参考にしてみてください。
本記事では
- イオン導入とは
- イオン導入とイオン導出の違い
- イオン導入の効果
- イオン導入の注意事項
- イオン導入のケアがオススメの方
以上の内容を、エステサロンに10年以上勤務し業務用、家庭用の美容機器を施術で使用、販売してきた経験のあるエステティシャンである筆者が解説していきます。
イオン導入とは
イオン導入とは、ただお肌に塗っただけでは浸透しにくい成分を、機械を使用して微弱な電流を流すことで美容成分を肌の奥深くに浸透させる施術になります。
通常お肌には皮膚を守るためにバリア機能というものがあり、その機能のおかげで私たちは外の刺激から守られているのですが、反対に、お肌に届けたい美容成分もこのバリア機能によって防がれてしまい、奥まで浸透するのは難しいと言われています。
イオン導入では、微弱な電流をお肌に流すことにより、一時的にバリア機能を和らげ美容成分をお肌の奥まで届けることができるのです。
その浸透力はサプリメントや化粧品から得られる効果に比べると30~100倍の効果があるとも言われており、普段のスキンケアの何十倍もの効果が期待出来ます。
電流を流す、というとピリピリしそうなイメージもありますが、微弱な電流のためほとんど痛みは感じることはありませんので比較的リラックスして受けられる施術だと思います。
イオン導入イオン導出の違い
イオン導入は本来医療の分野で肌から薬剤を浸透させるための方法で、現在はエステサロンや家庭用の美容機器にも搭載されるようになってきた方法ですが、イオン導入の仕組みはプラスとマイナスの電気の力を利用してお肌に成分を届けています。
磁石のプラスマイナスでイメージしていただけると分かりやすいと思います。
磁石ではプラスとプラス、またはマイナスとマイナス同士を近づけると反発し合うと思いますが、イオン導入ではこのマイナス同士が反発し合う仕組みを利用することで、電気の力でお肌の奥まで美容成分を届けることができるのです。
では逆にプラスとマイナスはどうでしょうか。
近づけるとくっつくと思いますが、この引きつけ合う力を利用したのがイオン導出です。
イオン導出では、プラスの電気を利用して、マイナスに帯電している
・古くなった角質
・ほこり
・排気ガス
・ダニの死骸
などを引き寄せて吸着してくれるので、普段のスキンケアでは落としきれない汚れのクレンジングの効果があります。
そのため、順番としては
イオン導出⇒イオン導入
の順番で行うことで、汚れを落としてキレイになったお肌に美容成分を届けることが出来るのでオススメです。
イオン導入の効果
イオン導入の主な効果としては浸透させる美容成分によって異なります。
例えば、ビタミンCの場合は抗酸化作用によって肌の炎症などから肌を守る働きがあり、さらにコラーゲン生成、ターンオーバーの正常化、メラニン生成の抑制などの効果があります。
お肌のお悩みに合わせた成分をイオン導入することによって様々な効果が期待出来ます。
イオン導入を行うメリットとしては
- 美容成分の浸透性を高める事が出来る
- 短時間で多くの美容成分を肌の奥に届ける事が出来る
以上のようなものがあります。
イオン導入に使用される美容成分としては以下の様なものが代表的です。
- プラセンタ
- トラネキサム酸
- ビタミンA
- ビタミンC
- ビタミンE
- グリシルグリシン
美容と医療用の違い
現在イオン導入は美容クリニックはもちろん、エステサロンや家庭用の美容機器にも搭載されていますが、その主な違いは『出力』とお肌に届ける『成分』にあります。
どの美容機器でもそうだと思いますが、基本的に家庭用は誰でも安全に使用できるように出力はそこまで高くないものが多いです。
美容クリニックやエステサロンでは業務用の機器を使用しており、出力も家庭用に比べると高いため
より同じ時間でも成分を浸透する力が変わってきます。
また、さらに美容クリニックとエステサロンでの違いと言えば、どちらも美容成分を届ける施術を行っていますが、エステサロンで使用されているのは『化粧品』に分類されるのに対して、クリニックの場合は医療になりますので、より効果の高い『薬剤』を医師や看護師の方が使用出来るという点にあります。
イオン導入の注意事項
イオン導入は機械を使用して微弱な電流を流す施術になります。
そのため、他の美容機器同様、ペースメーカーなど体に金属が入っている方は施術不可など禁忌事項がありますので持病のある方や薬を服用している方などはサロンなどでは必ず使用出来るか確認しましょう。
また、当日の肌の状態によっても施術を避けた方がよい場合もあります。
例えば、湿疹やかぶれ、日焼けで炎症を起こしている時、女性なら生理前などで肌の状態がいつもより敏感になっている時などは施術スタッフに必ず相談してください。
イオン導入の施術はごく微量な電流のため痛みはほとんど感じない施術になりますが、ごく稀に赤みややけど、色素沈着が起こる可能性があります。
皮膚の状態と、イオン導入に使用する成分などの相性も影響しますので、サロンで受ける場合には施術前にしっかりと状態を把握して頂き、リスクもきちんと理解した上で施術を受けましょう。
また、家庭用イオン導入器を使う際は、使用する化粧水や美容液によってはお肌に悪影響を及ぼす可能性も考えられます。
とくに合成界面活性剤や防腐剤などはイオン導入により肌の深部に入ることで皮膚トラブルを引き起こすこともあります。
そのため、イオン導入のケアを行う際は防腐剤無添加のイオン導入専用の化粧水や美容液を使用するのがオススメです。
イオン導入のケアがオススメの方
イオン導入は浸透させる美容成分によってその効果は変わってきますが、以下のようなお悩みをお持ちの方にはイオン導入がオススメです。
- 毛穴汚れが気になる
- 毛穴の開きが気になる
- 肌のごわつきが気になる
- エイジングケアをしたい
- ニキビやニキビ跡を改善したい
イオン導入は1回だけではなく、効果を実感するためには継続的なケアが必要な施術になります。
そのため例えばクリニックやサロンでのケアは2週間に1回のケアを継続的に行う必要があり、出力や美容成分の濃度が高いクリニックでの施術はどうしても高額になる場合もあります。
家庭用イオン導入機器では出力はそこまで高くなく、導入液の濃度もクリニックと比較すると市販のものは低めになりますが、週に2回から3回使用出来るので、自宅でコツコツケアをしたい方は家庭用もオススメです。
ですが、上記に記載したように、市販の防腐剤等が使用されている化粧品を使用してしまうと肌トラブルのリスクもありますので、不安な方は美容クリニックやエステサロンにてプロの方に肌質やお悩みを相談してから行う方が良いと思います。
イオン導入を受ける際は自分に合っているか、肌質や悩みを明確にして目的や予算に合わせて受けて見て下さいね。
ここまでお読み頂きましてありがとうございました。
それではまたお会いしましょう。
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