エステサロンなどで取り扱われている『ラジオ波』は痩身効果や美肌効果などを目的に、ボディケアやフェイシャルケアとして使用されています。
では『ラジオ波』とは実際にどのような施術なのでしょうか。
ラジオ波を受けたいと考えている方や、はじめてラジオ波というものを聞いた方でも分かりやすいように解説していきますので、気になる方は参考にしてみてください。
本記事では
- ラジオ波とは
- ラジオ波の種類
- ラジオ波の効果
- ラジオ波の注意事項
- ラジオ波のケアがオススメの方
以上の内容を、エステサロンに10年以上勤務し業務用、家庭用の美容機器を施術で使用、販売してきた経験のあるエステティシャンである筆者が解説していきます。
■ラジオ波とは
そもそもラジオ波とは、テレビの電波などと同じ電磁波の中の一種です。
その中でも周波数が高い電磁波のことで「高周波」などと呼ばれることもあります。
エステや医療業界では「ラジオ波」や「RF」と呼ばれる事が多く
RFとは、radio frequency(ラジオ フリークエンシー)の略です。
ラジオでは10MHz~300MHzの周波数域が使用されており、これが美容機器の周波数域と
重なることから「ラジオ波」と呼ばれることになったと言われています。
ですが、一概に「ラジオ波」と言っても周波数や出力によりその効果は異なります。
■ラジオ波の種類
ラジオ波は周波数や出力によってもその効果は様々なのですが、
・周波数による違い
・加熱方法による違い
がありますので、それぞれご紹介していきます。
【周波数による分類】
〇0.4~1MHz程度の低い周波数の電磁波
多くのラジオ波の機械は、物質の内部に電流が流れることによって
発生するジュール熱によって発熱する仕組みを利用しています。
例)電気コンロなど
電気コンロはこのジュール熱を使用してものを温めています。
〇40.68MHzの周波数の高い電磁波
40.68MHzの周波数の高いラジオ波は電波的な性質が強く、肌の内部で水分子の回転が起こります。
この分子の回転によって熱が発生し、トリートメント部位がしっかりと温められます。
例)電子レンジの加熱方法
電子レンジはマイクロ波を照射することで食品内部の水分子を振動、回転させることによって熱を発生させています。
物質の内部で素早く熱が発生するため、短時間で深部まで、そして表面が焦げること無く温める事ができる仕組みを利用しています。
【加熱方法による分類】
〇モノポーラ方式(0.4~1MHz)
1つの電極からラジオ波が流れるタイプで、体の反対側に反射板というプレートを当て電極と反射板の間に電流を流し発熱する方法です。
従来からエステなどで使用されている種類であり、体の深部まで温まる特徴が有り、血流やリンパの流れを改善し、新陳代謝を向上させたり、老廃物の排出をスムーズにする効果があります。
脂肪の深い部分まで熱が発生するため痩身効果が期待出来ます。
〇バイポーラ方式(0.4~1MHz)
2つの電極をもっているラジオ波機器です。2つの電極の間を電流が流れるため、主に皮膚の表層に作用して、皮膚のコラーゲン生成や肌質の改善、美肌効果が期待できます。
〇マルチポーラ方式(0.4~1MHz)
3つ以上の電極をもつラジオ波機器のことになります。3つ以上の電極の間を色々な方向に電流が流れ、
皮膚表面と脂肪の深いところ両方に効果があります。
〇ユニポーラ方式(40.68MHz)
モノポーラ式のように1つの電極ですが、40.68MHzの高周波のラジオ波で肌の深部に集中的に発熱する特許を取得しています。
■美容と医療用の違い
上記のように、周波数や電極によって作用や効果に違いがあることが分かりました。
では家庭用のラジオ波機器ととエステサロン、美容クリニックなどで使用されているラジオ波機器は何が違うのでしょうか。
その主な違いは『出力』にあります。
家庭用でも、業務用でも1MHzのバイポーラ式のラジオ波機器はありますが、その出力、『ワット数』の違いによって効果を実感出来るまでのスピードが変わってきます。
例えば家庭用のラジオ波(RF)機器は、誰にでも安全、かつ簡単に使えることを前提として開発されていますので、業務用のラジオ波機器と比べると最大出力は弱く、温まりも安全な範囲です。
もちろん、出力が弱かったとしても温かくはなりますので、温めながらマッサージなどをすることによって施術した部位はほぐれるような実感は得られることもあります。
エステサロンで使用される機器も高出力のものがありますが、例えばセルフエステなどで人体の知識や美容機器の知識が無いまま使用すると、怪我ややけどなどの危険性もありますので、十分注意が必要です。
ラジオ波機器で効果を出そうと思うと出力を上げていく必要があります。
クリニックでは体の仕組みを理解している医師が施術を行いますが、その分費用も高額になる場合があります。
目的や予算に応じて、自分に合った方法でラジオ波機器を活用しましょう。
■ラジオ波の効果
ラジオ波は主に
- 痩身効果
- 美肌効果
- コラーゲン生成
- 血行促進効果
などの効果があると言われています。
●痩身効果
体内へ電磁波を流すことで体の中の細胞の分子同士が摩擦することで熱を発生させます。
体を温めることで新陳代謝の向上、脂肪燃焼も期待出来ます。
さらにセルライトの原因である老廃物や水分を排出し、むくみの解消を促す施術として使用されます。
体を温めることで、基礎代謝の向上にもつながり、痩せやすい体作りのサポートを行っていきます。
●美肌効果
ラジオ波は体内を温める事で血流やリンパの流れを良くし、老廃物を排せつさせることでくすみやたるみの解消に効果的です。
また、ラジオ波は肌のターンオーバーを促進させるため、新陳代謝が活発になりデトックス効果はもちろん、様々な肌トラブルの予防にもなります。
さらに肌の血流を改善することで、肌に血管から栄養や水分が行き届きやすくなり、うるおいのある肌へと導いてくれます。
●コラーゲン生成
ラジオ波により皮膚の深部まで熱を与えると『ヒートショックプロテイン』というタンパク質が生成されることが分かっています。
このタンパク質はコラーゲンと結びつくことによって質の高いコラーゲン生成の元となり、弾力のある若々しい肌へと導いてくれます。
しわ・たるみといった加齢によるお悩みも、コラーゲン生成により肌自体の質が改善することによってアンチエイジング効果も期待出来ます。
●血行促進効果
ラジオ波の高周波による電磁波は肌や脂肪だけではなく、筋肉や血管にも作用していきます。
体を温め、全身に血流を巡らせることで冷えやコリの解消を促すことができます。
冷えは万病の元と言われていますが、この冷えを解消することで、肩こりや生理痛、腸内環境の不調など体の様々な不調が改善され、美容はもちろんですが、健康へと導く効果が期待出来ると言われています。
■ラジオ波の注意事項
ラジオ波には基本的に副作用はないと言われていますが、体調が優れないときなど、体調が万全で無いときは使用を控えた方が安心です。
例えば風邪を引いているとき、予防接種などを受ける前後1週間などは使用を控えることをオススメしています。
ラジオ波は全身の血流を良くする効果もありますので、体にウイルスなどが入っている状態で流れを良くしてしまうことで、症状が悪化してしまう恐れがありますので、注意が必要です。
また、他の美容機器などと同じように禁忌事項がありますので、施術を受けられるかどうかは、そのラジオ波機器を取り扱っているサロンやクリニックなどにしっかりと確認をしてから受けるようにして下さい。
最近はセルフエステなどもあり、気軽にラジオ波を使用出来るようになっていますが、家庭用のラジオ波機器に対して業務用の出力が強い機械を使用する際は、一カ所に当て続けてしまうことで熱くなりすぎてしまい、最悪の場合やけどのような状態になってしまうことがありますので、自分で使用する際には事前に説明をしっかりと受けて、無理をしないように使用して下さい。
ラジオ波の施術は血流やリンパの流れを改善する事で体にとってはとても健康的なのですが、普段血流が悪い方が施術を受けることで、一気に流れが良くなり、施術を受けた後に、運動した後のようなだるさが出る方もいますので、始めて施術を受ける方や、いつもと違う体調で施術を受ける際は、施術後はしっかりと水分を摂って激しい運動などは控えた方が良いです。
■ラジオ波のケアが向いている方
ここまでラジオ波についてお伝えしてきましたが、ラジオ波には様々な種類があり、その効果も様々です。
その中でラジオ波の施術がオススメな方について私の意見を述べていきます。
【ボディ】
・体が冷えていて、脂肪やセルライトが気になる
・むくみや冷えがあり中々痩せにくいと感じている
・サイズダウンと同時に肌の引き締めもしたい
・体を温めて健康的に痩せ体質を作っていきたい
※脂肪の量が多い方はキャビテーションとの併用もオススメ。
メリハリをつけたい、引き締め重視の場合はEMSなど筋肉へのアプローチも同時に行うと相乗効果です。
【フェイシャル】
・肌のターンオーバーを改善したい
・たるみやシワなど年齢的な悩みが出てきた
・顔のむくみを改善してスッキリみせたい
・フェイスラインのもたつきが気になる
※肌表面のごわつきや角質のケアなどは他のフェイシャル機器や化粧品を使用した施術の方が効果的だと思います。
体もお肌も色々なお悩みがあると思いますので、施術をしてくれる方としっかりと相談をして頂き、ご自身で納得した上で施術を受けて下さい。
美容業界ではどんどん新しい機械や化粧品など毎年のように出てきますが、ただ流行に乗るのではなく、ご自身のお悩み、そしてそのときの体やお肌の状態に合う方法を選んで頂けるよう、これからも情報を発信しますので今後も参考にして頂ければ幸いです。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
それではまたお会いしましょう。
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